蚊とフィラリア〜犬だけじゃなく猫も人間も感染する?

こんにちは、獣医が作るドール服 ケモミミ本舗 たぬぬです。

今回は「蚊」が運ぶ寄生虫のお話。

 

蚊、うっとうしいですよね。
毎年毎年どっからわいてくるんでしょうね。
ヤツらのせいで何回眠れぬ夜を過ごしたことか…!

 

まぁそれは置いといて。
蚊は、ワンちゃんと深い関係を持っていることは犬飼いさんならよくご存知だと思います。
そうです。
フィラリアです。
フィラリアはヤツらが運んでるんです。
参考:フィラリア症の話(ファルマ製薬)

 

フィラリアは、犬糸状虫という名前のとおり、細い糸みたいな寄生虫が蚊の吸血によって犬の体内に入り込みます。
この時のフィラリアは蚊の体内で「感染できる強さのある幼虫」にまで成長しているので、犬の体内に入っても死ぬことなくスクスクと育っていきます。
(感染できる大きさになってないと個体の免疫力で殺されてしまうこともあるんです ※1)

 

体内に入ったばかりのベイビー達は身体の中を移動しながら脱皮を繰り返し成長していきます。
(体内に入ったばかりの幼虫はL3と呼ばれます。脱皮をしながらL4、L5と成長します)
成虫になってしまうと、心臓や肺に入り込み、咳や食欲不振、肺機能の低下による腹水でお腹が膨れる、など、いわゆるフィラリア症の症状が現れてきます。
こうなると治療も困難を極めます。

 

ベイビーが成虫になるまでには最短で50日程度。
なので、「フィラリア症を発症させたくなければ少なくとも感染してから50日以内に駆虫薬を飲ませる必要がある」ということになります。
そうです。
普段病院でもらっているお薬は「予防する薬」ではなく、「寄生虫を殺す薬」なんですね。

 

常にフィラリアを体内に持っている蚊が飛んでいるわけではないでしょうが、逆に言うといつ感染するか分からない状況にいつもいる、ということになります。
なので蚊が飛んでいる季節(春から秋頃まで)は感染を予防しましょうね、と言って「駆虫薬」が処方されるんですね。

 

さて。
ここまで長くなりましたが、ネコちゃんや人にはフィラリアって感染するの?という疑問も当然出てくると思います。

 

答えは「する」です。

ネコちゃんや人は本来のフィラリアの宿主(しゅくしゅ、と読みます)ではないので、ワンちゃんのように予防するという概念がほとんどありません。
感染自体がそもそもレアケースなんですね。
しかし、絶対にないかというとそんなことは当然なくて、いくつも症例報告はあがっています。

ネコちゃんが感染するとどうなるでしょう?
感染が進むと食欲がなくなり、全体的な状態が悪くなっていきます。
病院に連れて行ってもフィラリアをターゲットに検査をすることは少ないので原因不明となることも多いでしょう。なので手遅れになるケースは多いと思われます。

 

大切なネコちゃんをこんなレアケースから守りたいと思うのであれば、まず蚊に刺される機会の増える外飼いは絶対にやめましょう
外飼いは自由に見えますが、実際ネコちゃんにとっても飼っている飼い主さんにとっても危険なことが多いんです。
どうしても外飼いはやめない!という強い意志の飼い主さんなのであれば、フィラリアの予防もしてあげましょうね。

 

今度は人です。
人も感染するの?!
とびっくりする方が多いと思いますが、します。
これもレアケースなんですけどね。
人は本来の宿主ではないので免疫によってフィラリアが成長できないことも多いです。(※1)

しかし、人もネコちゃんと同じくフィラリアなんて検査対象にすることはないので、分かった時には肺に腫瘍のようにフィラリアが固まっているのが見つかった、なんてこともあります。

人を守るためにもワンちゃんのフィラリア予防はしっかりしてあげましょうね。

地域でフィラリアを持つワンちゃんが減れば、当然それを蚊が吸って他の犬に移していく機会も減っていくので自分だけの問題ではないということを分かっていただけると嬉しいです。