
こんにちは。獣医が作るドール服 ケモミミ本舗です。
(2023.9.13更新)
今日はマスクについて考えてみたいと思います。
マスクをするのがあたりまえ、かつ社会的にしてないと圧を感じるようになってからもう1年以上経ちましたね。
今ではすっかりマスクに慣れ、マスク日焼けができたりお化粧のやり方を変えたりだとかが日常に定着してきました。
マスクをするのに慣れてきたこの辺りでもう1度マスクが何をしているのか見直してみましょう。
マスクが防ぐもの
マスクマスクと言いますが、ではマスクは何を防ぐのでしょうか。
ーーーーはい。
「自分から出るツバや呼気」を防ぎます。
ウイルス感染していた場合、ウイルスが漏れ出るのを防ぐのは無理です。それは不可能だと考えていいでしょう。
不織布マスクであってもガバガバな付け方をしていれば漏れ出る量は相当になります。
「新品の不織布マスクで」
「隙間ができるだけない状態で」
「数時間ごとに新しいマスクに替えるとして」
であっても話すときに飛ぶツバ程度しか防げない、というのは頭に入れておいてもいいと思います。
ちなみに布はただの飾りです。
人間がウイルスだとすると、不織布のマスクは鬱蒼と繁ったヤブくらいの防御力(ヤブを通り抜けるのは大変ですよね)は、布のマスクは整備された公園くらいの防御力(スイスイ行けちゃう)、と考えれば分かりやすいかもしれません。
さらに不織布のマスクは“静電気”という性質も利用してウイルスを防ぐので、「織り目の大きさに頼るだけではない」防御能力もあります。
フェイスガードの口版のようなものはやる意味はないのでそれをつけるくらいなら最初からマスクはしない方がいいと思います。
N95くらいのマスクや防毒・防塵マスクでも、1日中同じものをつけていればマスクの効果は無くなります。
何日も同じものをつけるのは論外です。むしろ定着したものを吸い込むことになるのでやめた方がいいでしょう。
防ぐ観点でのマスクは単なる消耗品と考えましょう。
マスクが防げないもの
マスクは自分が出すものはある程度防ぎますが、適当なマスクの使い方をした場合、外界からのナニカをブロックすることはかなり難しいので、複数の対策を重ねた方がいいと思います。(後述します)
普通の感覚としてはナニカが口や鼻に入ってくるのを防ぎたくてマスクをすると思いますが、そう簡単にはブロックできません。
ブロックしたいのであれば本気を出しましょう。
高性能マスク(N95マスクなど)+ゴーグル+帽子+手袋+帰宅時のシャワーイン+外に着ていった服は洗浄もしくは消毒、マスク・手袋・帽子は全て捨てる。靴も消毒もしくは洗浄する、あたり。
まぁ、これは極端としても、日常での防御力アップの方法としては
・不織布マスクをなるべく隙間なくつける
・人混みの多い場所や換気の悪い場所などで使う場合は(可能な限り)数時間ごとに取り替える
くらいなら実行可能でしょうか。
「その場所から逃げるのが1番の対策」ですが、日常を送っていると難しいですしね。
今まで読んできてガッカリしているかもしれませんが、マスクは使い方さえ間違えなければ対外的に自分が与える影響を少なくすることはできるので、無意味ではありません。
さらに上にも書いたように不織布マスクであれば静電気でウイルスを防御する機能もあるので、自衛の意味を持たせたいのであれば積極的に不織布マスク(ペラペラのはダメですよ)を活用しましょう。
さて、ここで感染症の対策の基本をもう1度おさらいします。
手洗い、うがい、換気、です。
(アルコール消毒ではないので注意)
特にコロナの場合「換気」は効果が高いと言われているので積極的にやりましょう。
(追記;2023年6月現在 効果が高いものとしては、換気が難しい場所や冬季でも使用可能な空気清浄機の活用があります。最大限利用しましょう。公的な場所でも設置がもっと増えればよかったのですが…)
さらに疾病抑制として一歩踏み込むなら、検査、摘発、治療、です。
国は検査しなかったり、でも規制したり、など理解しがたい対策?を多々していますが、発生数の抑制としてはこの方法が1番の近道だと思います。
我々獣医師も基本この考え方で伝染病と対峙しています。
蛇足ですが、伝染病が出たときに医療関係者がつけるマスクは自衛の意味が強くなるので、N95以上の高性能マスクであり、短いサイクルで交換されるべきものです。
コロナ発生当初のような医療現場でマスク枯渇、というのは本来あり得ない状況であったこともお伝えしておきます。
マスクをつけるのか、外すのか
さて、このところマスク不要論も盛んにされるようになってきましたね。
マスクはつけていた方がいいのでしょうか?それとも外してしまっても問題はないのでしょうか?
室外では少なくともマスクはつける必要はありません。
散歩したりランニングしたりするときに前を行く人がいる場合は数メートル距離を空ければ問題はないでしょう。(同じ方向に動き続ける時はもう少し距離をあけるといいですね)
それ以外では…… 実際判断は難しいですね。
ここまで書いてきたように、「正しい」マスクのつけ方をしていなければマスクはつけている意味はありません。「自分が防げるもの」もほとんどありません。
運動中のマスクは物理的なリスクの方が高くなるので(呼吸が苦しくなるなど)、可能であればやめた方がいいと思います。(ただ、ウイルスを保持している場合呼気に出るので距離は考える必要はあると思います)
無症状に見える感染者にどう対処するか
ここで改めて考えておきたいのが「日常生活上で接する人たちの中にはウイルスを持っていても健康に見える人たちがいる」という事実です。
5類になったことで「コロナはもう終わった」ような“雰囲気”になっていますが、当然分類上対応のレベルが落とされただけで以前と何も変わっていません。
むしろそれによってマスクをはずす人が多くなり感染の機会が増えてしまっている状況です。
家族がコロナに感染し、その看護をしながら買い物や仕事などで外に出ている人もかなりの数いるのではないでしょうか。
以前のようにほとんどの人がマスクをしていたような状況であれば感染圧は低かったのでしょうが、もはやそういうことも言ってられなくなってきました。
コロナは風邪だ、と思っている人以外はマスクをして自衛しましょう。
換気をして、手洗いをして、空気清浄機を活用して、最大限感染の機会を減らしましょう。
あたりまえの対策しか出せないのがなんともですが、これらの対策は多くの感染症に対抗する基本的な手段にもなります。
皆さまの健康が維持されますように。
以上、少しでもマスク生活のご参考になれば、幸いです。